受験シーズンである。
幸い志望校に合格したら、次にお金を納めなくてはならない。
今は独立行政法人となった国立大学では、
授業料535,800円、入学金282,000円、
合計すると初年度納入金は817,800円になる(21年度予定)。
高いじゃないの、とつぶやいてみる。
早稲田大学法学部のおよそ119万円、基幹理工学部168万円、
慶應大学医学部368万円よりは安いのだけれど。
それにしても、国立大と私立大の学費は差が縮まった。
特に文系学部ではそうである。
私が国立大学に通っていた頃(数十年も前の古い話)、
授業料は年間12,000円だった。
それでも半期分6,000円払うのは惜しいような気がしたものだ。
せっかくの機会にもっとよく勉強しておけばよかった、と
今さら後悔する。
年をとると言いがちなことだが、まさしく実感なのである。
タクシー初乗りが70円の時代だった。
今700円前後だからおおざっぱに言って約10倍、
授業料はなんと54倍になったのだ。学費の値上がり率は大きい。
政府は、国立大の学費を上げることによって、国私格差を埋めてきたのだ。
反対にすべきだろう、と思う。
私学に補助をして学生や両親の負担を減らさなくては、
多くの人が学ぶチャンスを失ってしまう。
■ □ ■
息子2人を私立理科系大学に通わせたEさん。
長男が入学したとき、
「授業料は払ってあげる。ご飯はうちで食べてもいい。
でもあとは自分で何とかしなさい」と宣言。
夫婦で共働きしているのだが、
「中小企業だもの、うちなんか給料は安いの。
大学の入学金だって大変だった。
男の子なんだから、力仕事でもできるでしょ」。
息子たちは近所のガソリンスタンドでアルバイトをして、
小遣いを稼いだ。
貯金もしたらしく自分で車を買った。
デートも時々はし、授業もまあ受けて、無事卒業した。
すぐに就職し、2人とも家を出ている。
「追い出したの。兄ちゃんの通りに、弟もしたねえ」
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このコラムは、
「Wife」に毎号、河上多恵子が執筆している「トナリの暮らし」を
そのまま載せています。
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